新入生の諸君、そしてご臨席の保護者の皆様、本日はご入学お目出とうございます。同窓会を代表して心よりお祝いを申し上げます。
ところで、先程より新入生の皆さんは、本校第六回の入学生という話がされておりますが、このように新しい学校の同窓会長として私のようなおじいさんが現れて不思議に思う方が居られると思いますので、少し説明を致します。
ご存知の方もいらっしゃいますが、この科学技術高校は、静岡工業高校と清水工業高校が発展的に閉校し平成20年4月に合併して新しく開校したものです。
静工は90年清水工業は47年の歴史があり、静工の卒業生は2万8千人清水工業は1万2千8百人の卒業生が居り、合わせて4万人が本校を新しい母校として科技高同窓会の活動を行っております。
私は、昭和32年静工定時制機械科を卒業し現在本校の同窓会長と後援会副理事長を務めておりますので今日ここに出て来た訳であります。
この4万人を越す先輩達の力は、具体的に本校に表れております。一っの例として、静岡県の基準では高校の普通教室にはエアコンの設置は認められておれません。県の予算はつきません、しかし本校は開校時、静工、清水工の後援会の資金を投入して全教室にエアコンを設置しました。又、昨年グランドの人工芝が完成しましたが、この一部も後援会の基金が使われております。
このように皆さんが恵まれた環境で勉学が出来るのも、数多くの先輩から支えられたものが大きく有る事を理解して下さい。
説明が長くなりましたが、入学式に当たり私は、新入生の皆さんに二つのお願いをいたします。
一つは、挨拶がきちんと出来る人間になってもらいたいという事です。この事は毎年お願いをしていますが、科技高の生徒は、挨拶が良く出来て気持が良い、という声を学校に見えた人達から聞くようになり大変嬉しく思っております。挨拶は人間関係の第一歩です。家族の間での挨拶、学校で先生、友達との挨拶、これがきちんと出来てコミニヶーシヨンが取れる訳です。本校は、今までの小学校、中学校と違いクラス毎の団結が非常に要求されます。クラスの結びつきを強め、そして是非、この高校3年間で一生付き合える友人を見つけて下さい。その第一歩が、気持の良い挨拶です。
次に第二のお願いは、今日から皆さんは技術の勉強をする訳です。技術の習得をして立派な技術者に成る事は勿論、是非、外国語の出来る技術者になって
下さい。言葉は英語に限りません、中国語、韓国語、なんでも結構です。今までの日本は、外国から材料を入れ製品にして外国に売るという形が多かった訳ですが、今は技術を持った人間が外国に出て行くという時代になっています。
私事ですが、私も台湾で5年間現地の人600人ほどと一緒に仕事をして来ましたが、相手の話を聞き、自分が喋る事が如何に難しいかを・身を持って体験しました。言葉は、若い時でないと身に付きません。どうか外国語のできる技術者になってくれる事を心からお願い致します。
これで私の話は終わりですが、挨拶とクラスの団結と友人を作る事、外国語のマスターを是非達成して下さい。
本日は、本当にお目出とうございました。以上であいさつを終ります。